喪主のあいさつから葬儀を考える

葬儀の時に、ひと段落が終わったら喪主が前に出てお礼の言葉を述べますね。

みなさんどうやって考えているのでしょうか。
思ったことをその時に思った風に述べるだけなのか、あらかじめ文章を考えておくものなのでしょうか。

葬儀というのは主役が棺の中にいて、その最初で最後の舞台のために、主役の身内が喪主としてナレーションを務めるような感じです。
実際に葬儀場では、ここで喪主の挨拶が入りますので、これを参考に考えて下さいね、と言われて小さなカードを渡されました。

ごくありきたりな、参列者してくれたことに対するお礼と、亡き人に代わって生前のお礼などを述べます。
その亡き人が恥ずかしくないように、喪主は挨拶をしなくてはいけません。

ありきたりな挨拶では故人も浮かばれないかと思い、実際に身内の喪主のためにあいさつ文を考えたことがあります。
生前の故人と喪主の関係の話から始まり、故人がどのような人だったか、どういう人に感謝をしていたか、そして喪主にとって故人の死がどれだけ辛く悲しいものだったのか。

長文を考えましたが、喪主は途中から声を詰まらせながら読み上げました。
参列した方の中にもその喪主の涙につられて、すすり泣く声も聞こえてきます。
故人がどんな思いで空の上でその挨拶を聞いていたかは分かりません。

別にお涙ちょうだいのストーリーにする必要はなかったかも知れませんが、故人の死を悼んでいる人たちとその悲しみを共有したかったがために作った挨拶でした。
正解はありませんし、うまくいかなかったからやり直し!なんてことも出来ません。
祝い事は無礼講ですが、お葬式では礼を欠くことくらい失礼なことはありません。
始まる前から終わった後まで、そんな礼についてもいろいろ考えさせられることがたくさんありました。

終わってみて思うことは、葬式は故人のためではありませんでした。
遺された人が、故人なしでも立派にやっていけるよ! という所信表明の場なのかも知れません。